介護という仕事は、ちょっとした仕草や表情から、相手がいまどんな状態なのかを考える仕事です。
挨拶や会話だけでなく、生活の全体像を見ながらその人自身を捉えていくことになります。人に対する興味・関心がある方は、この仕事を面白く感じられると思います。〈ゆうゆうの里〉は研修が充実しているので、介護技術に関しては心配しないで大丈夫です。月に10日休みのある職場で、充実した仕事ができる環境ですので、ぜひ応募を検討してみてください。
私が所属しているケアサービス課は、介護の必要なご入居者の介助を行うことを主な業務としています。介護を必要とする方は、かつてはできていたことが、だんだんとできなくなっていくという経験をしています。そんな状況にあるご入居者と接しながら、少しでも悩みや不安を減らすことができる存在になりたいと思っています。私たち職員はご入居者の日常生活の中に入っていくわけですから、いかにストレスなく受け入れてもらえるかに気を配る必要があります。日ごろの挨拶や立ち話などはもちろんのこと、生活介助の際には居室内にある日用品の置き場所ひとつにまで注意を払いながら、ご入居者の考え方や生活のペースを崩さないことが第一だと思っています。職員とご入居者が、介助する側とされる側という関係を超えて、お互いに生活を尊重しあいながら、まるでご近所さんのような間柄になれたらいいな、と思っています。
介護職は、人の生活に入り込んでいく職業です。生活スタイルを通じて見えてくる、その人なりの物の見方や考え方は、挨拶や会話など言葉の上のやり取りだけでは気づかないこともたくさんあります。日常のささいな事柄からその人自身を捉えようとしていると、私自身ご入居者から影響を受けていることが多いです。生活に触れることは、人生をともに過ごすことなんだと実感します。入職して半年ほど経ったころですが、目の見えないご入居者から俳句をいただいたことがありました。「今度あなたのことを俳句にしてみますね」とお話しした後、しばらくしてから【健やかな 浴衣が似合う 乙女かな】という俳句をいただきました。ご入居者から影響を受けると同時に、私もまた影響をおよぼす存在なのだということに気づいて、はっとしたのを覚えています。介護という仕事には、そういった人間同士の関係が生まれる側面があり、それがこの仕事の醍醐味だと思っています。